records
さらなるレベルアップを目指して
横浜DeNA ベイスターズ国吉 佑樹投手
- Teaching period
- 2014年~現在に至る
ウイニングボール トレーナー加藤 愛理
昨シーズン、リリーフとして新境地を開拓し、49試合に登板するなど存在感を発揮した横浜DeNAベイスターズの国吉佑樹投手。さらなる成長を求め、オフ期間にウイニングボールで自主トレに励む中、パワーライントレーニングのことや自身の想い、そして2015年シーズンにかける意気込みを話していただきました。
聞き手:株式会社フォグランプ 橋本祐介
CHAPTER 01.「新しいことを取り入れたい」。その気持ちが、パワーラインとの出会いを生んだ。
- 聞き手
- トレーニングでお疲れのところかと思いますが、よろしくお願いします。 ※取材は2015年1月7日に行いました
- 国吉選手(以下国吉)
- よろしくお願いします。もう身体がバキバキです(笑)
- 聞き手
- このオフはどのように過ごされているのですか?
- 国吉選手(以下国吉)
- シーズンの疲れを取りながら、毎日できるだけ身体は動かして、キャンプインに備えています。ウイニングボールでは年明けから数日かけて、みっちりトレーニングをさせてもらっています。
- 聞き手
- 国吉選手と加藤トレーナーは、お知り合いになって長いようですね?
- 加藤トレーナー(以下加藤)
- そうですね。私が前職で横浜ベイスターズ(当時)のお世話になっていたときに彼が入団してきたので、それ以来の付き合いですね。
- 聞き手
- オフの間にウイニングボールでトレーニングを受けるようになったのはいつからですか?
- 国吉
- 2013年のオフからです。今年が2回目になりますね。
- 聞き手
- そのキッカケは何だったのですか?
- 国吉
- 当時はシーズン中からずっと故障を抱えていて・・・それでもどうにか投げられてはいたんですけど、そのうちに他の場所にも痛みが出てきてしまい、「ケガを治しながら、新しく取り入れられることはないか」と模索していた時に、加藤トレーナーから声をかけてもらったのがキッカケです。
- 聞き手
- パワーライントレーニングは従来の方法と違う部分があると思いますが、戸惑いはありませんでしたか?
- 国吉
- 最初はありましたね。これまで自分がやってきたトレーニングとは全く違うので、「本当にこれで大丈夫なの?」と不思議な気持ちのまま、ひたすらメニューを消化していた感じです。それでも、少ない日数の中で組んでもらったトレーニングで痛みも消えて、「スゴい!」と思いました。
- 加藤
- 実際にやってもらわないと、パワーラインの効果を説明するのは難しいから・・・
- 国吉
- 本当に、思い切って取り入れてみてよかったです。それで、今オフはさらにもっと上のレベルを目指したくてやってきました。
- 聞き手
- 昨オフとは違って身体の状態が良いと、トレーニングの内容も変わってくるものですか?
- 加藤
- やはり違いますね。身体の状態も良くなっているので、トレーニングのメニューも増やせるし彼自身の吸収も早い。きっとトレーニングの内容もハードに感じていると思いますよ。
- 国吉
- ええ、かなりキツいです、身体がもう悲鳴を上げてますよ(笑)
CHAPTER 02.リリーフを中心に、49試合登板。手応えをつかんだ2014年。
- 聞き手
- 昨シーズンについて少し振り返っていただきたいと思います。これまでの先発から中継ぎに役割が変わったということで、国吉選手にとっても大きな転換期となる1年だったと思いますが・・・
- 国吉
- そうですね、毎試合ブルペンで準備する大変さなど、学ぶことが多かったです。また、終盤でリードしている場面で使ってもらえるまでの積み重ねが大変で、徐々に信頼していってもらえたのがよかったです。結果として49試合に投げられたのは自信になりました。
- 聞き手
- 加藤トレーナーも、国吉選手が登板している試合はご覧になりますか?
- 加藤
- テレビで見られる時は見ていますよ。レッスンの予定が入って見られない時は、後からインターネットで結果をチェックしています。ベイスターズには他にもトレーニングをお手伝いさせてもらっている選手がいるので、いつも祈るような気持ちです(笑)
- 聞き手
- 山口俊投手も、同じくウイニングボールでトレーニングをされている選手のひとりです。先輩から学ぶことは何かありますか?
- 国吉
- ちょうど僕が中継ぎで投げるようになったタイミングで、山口さんは先発を務めるようになってあれだけの結果を残された(注・8勝、月間MVPを2度受賞)。その適応力の高さはスゴいと思いましたし、僕もいつかはまた先発で勝負したいという想いも持っているので、すごく刺激になりましたね。
- 聞き手
- 実は昨シーズン中にも一度、ウイニングボールの松尾代表からレッスンを受けたとお聞きしましたが。
- 国吉
- はい。ちょうど二軍で調整しているときに、たまたま松尾さんが関東の方に来られているということで見てもらいました。身体の具合はどこも悪くなかったんですけど、調子がよかった時に比べるとうまく投げられないモヤモヤした感覚だったんです。
- 聞き手
- それはケガとか痛みというわけではなく?
- 国吉
- ケガとはまた別ですね。身体の状態はいいのに、感覚的に動きがどうもしっくり来なかったり・・・それでレッスンを受けたらすぐに感覚が好調な時のものに戻ったので、去年の結果につながったと思います。
- 加藤
- でも、ちょっとした感覚のズレだったりモヤモヤした感覚だったり、今まではどうやってそれらを取り除こうとしていたの?
- 国吉
- ひたすらシャドーピッチングやネットピッチングをして、どうにか打開しようと。「こうすれば解決する」という明確な答えがなかったので、もどかしかったです。でも、松尾さんに少し見てもらっただけですぐに効果があったので、本当にありがたいと思いましたし、トレーニングはマシンがなくてもできるので、遠征先のホテルなどでも身体を動かして、コンディションの維持に使えるので助かっています。
CHAPTER 03.目指すはCS出場、そして優勝。必ずチームの力になる。
- 聞き手
- 国吉選手は今年で24歳。年男ですね。
- 国吉
- そうなんです。昨年がひとつキッカケをつかめるシーズンになったので、もうワンランク、いやツーランク上の成績を残せるように頑張りたいですね。今季も中継ぎを任されるのであれば60試合以上は投げて、チームに貢献したいです。
- 聞き手
- チームも若手・ベテランの力が合わさって勢いを感じます。目標を聞かせてください。
- 国吉
- 当然、優勝を目指していますし、最低でもクライマックスシリーズ出場は達成しなければならないというのはチームみんなで共有している目標です。
- 聞き手
- ルーキーの時から国吉投手を見ていらっしゃる加藤トレーナーから、「成長したな」と感じる部分はありますか?
- 加藤
- うーん、印象はあまり変わらないですけどね(笑) でも、三浦さん(大輔投手)を見ていても思うんですけど、結果を出している選手や成長する選手というのは常に色々なものを求めていて、「何か自分のためになるものはないか」とアンテナを張っている。それを国吉選手からも感じるんですね。新人の頃はチームのトレーナーさんに教えてもらっていたことも、今は自分で考えて取り組んでいるところに変化を感じますね。
- 聞き手
- 指導をしている選手が活躍することがトレーナーにとっても一番うれしいことですよね?
- 加藤
- 本当にその通りです。だから国吉選手がどんどん活躍してくれることが我々トレーナーの励みにもなるので頑張ってほしいと思っています!
- 国吉
- ありがとうございます。頑張ります!
profile
国吉 佑樹yuki MUNIYOSHI
1991年(平3)9月24日、大阪府生まれ。秀岳館高から09年育成ドラフト1位で横浜(現横浜DeNA)に入団。 11年7月に支配下登録され、同年10月4日の巨人戦でプロ初勝利を挙げた。昨年9月25日の阪神戦ではプロ初セーブもマーク。通算成績は79試合で9勝 20敗2セーブ、防御率3・65。1メートル96、100キロ。右投右打。
加藤 愛理eri KATO
1976年生まれ。大学卒業後、スポーツジムでトレーニング指導をしながらスキルをつけ、ペアストレッチ・姿勢改善・動作改善の指導を追求する。横浜ベイスターズ(現DeNA)の選手にも多数指導を行い、トップクラスのアスリートのパフォーマンス向上に貢献している。